短編小説っぽいもの
我等は泣く為に作られ、悲しむために作られたるにはあらずや。
本編
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後書きコメント
『我等は泣く為に作られ、悲しむために作られたるにはあらずや。』
〜プロローグ〜 「@クトゥルー、うぜー」 「@俺もやられたorz」 「@しょうがないだろ。あいつRMTのCCキャラだべ」 「@だの」 「@あの装備で勝てないほうがおかしいw」 「@ゲームにリアルマネってアフォだろ」 「@だなw」 「@他サバ行くかorz」 「@RMTer、、、マジウゼー」 「@クトゥルー、チネw」 「@リアルで破産して?w」 「@そそw」 「@ww」 〜1〜 「理解できないわけじゃ、ないんだけど・・・」 独り言。 また、僕はため息をついた。 僕はLv162までほとんどソロで過ごしてきたナイト。 でも誤解しないで欲しい。 別にソロが好きだというわけじゃない。 ・・・もしそうだったら、オフラインのゲームで遊んでるだろう。 「あんまり笑えないんだよなぁ」 PTで役に立てる自信も無く、かといってギルチャで会話も合わない。 こんな自分が悪いのだろうか。 分からない。 でも、ギルメンはいつも同じ話題で盛り上がっている。 おかしいのは、きっと自分なのだ。 (やっぱりソロしか・・・) 「よぉ、今ヒマか?」 (え?) 急に声をかけられたので、気づくのに遅れて慌てて振り向いた。 「あ・・・ベラさん?」 いつのまにか後ろに立っていたのはくっきりしとした造形の綺麗な羽エルフさんだった。 同じギルドのギルメンで、確か名前はベラさんだったと思う。 ベラドンナ。 仏語で美女、英語で猛毒。 彼女と話すのは初めてだと思う。 というか、正直に言って・・・僕はこの人と話すのは少し苦手だった。 話したことも無いのに苦手というのも変だけれど、本当だから仕方がない。 しょせんはイメージなのだけど。 ざっくばらんな飾らない話し方で、気持ちの良い人だとは思う。 ただ、僕は少し気後れしてしまうタイプだというだけで。 「そういや、お前と一緒に狩りに行ったことなかったなーと思ってな」 飾らないというより、言葉遣いが悪いだけかも。 「今ヒマか?」 睨むように顔を近づけて、二度目の問い。 「・・・ベラさんって、美人ですよね」 動揺して、思わずわけのわからないことを言ってしまった。 いや本当のことではあるのだけれど。 彼女は外見は間違いなく美人の範疇だと思う。 口が悪い分、容貌にボーナスがいってるのかもしれない。 「惚れたか?」 「い、いえ、そんな・・・男らしいっていうか、その、格好良いなって」 「あー」 ベラさんは頬をぽりぽりと掻いて、決まり悪げに 「男らしいっつーか、男だしな」 「は?」 「いや、中身」 「・・・ネカマだったんですか」 「いやま、ネカマっつーか・・・」 苦笑しながら 「MUってサポしようとエルフ選んだらさ、女キャラしかいないわけで」 「・・・確かに」 この手のMMOには珍しく、MUには性別と職に選択肢が無い。 「まったくあいつららしい設定だよなー」 「あいつら?」 「ウェブゼン。っつーか・・・」 ベラさんは続けようとしたが、その口から出たチャットは 「悪いよ」 だった。 「・・・」 「・・・」 ベラさんが再び口を開く前に、 「・・・あ、言い直さなくていいです」 なんとなく分かりましたから。 「あいよw」 中国とか、あちらのほうが嫌いな人なのだろう。 結構、そういう人は多い。 「で、ヒマなんだよな?」 「あ、はい」 「お前、レベルはいくつ?」 「あ、162です」 少し前になったばかりだったけれど。 「ふむ」 ベラさんは頷いて、 「うし、せっかくだ」 何が“せっかく”? 「異形行くか」 異形!? 自慢じゃないが、僕はまだタルカンに行ったことは無い。 あそこはまだまだ、特別装備が良いわけでもない僕がソロで行ける場所じゃない。 ちなみに普段はLTで狩りしてる。 「心配すんなって。時々AGかけてやるから」 「・・・と、時々?」 このとき、ベラさんを見る僕の目は何か恐ろしいモノを見るような目をしてたと思う。 「うはははは」 美人なのに豪快な笑いかたをする人だ。 リアルは男だけど。 「ほれ、行くぞ」 「あ、いやまだ・・・」 返事をしたわけじゃ。 「赤買わねぇんなら、このまま拉致っちまうぞ? おら」 僕は慌てて返事をした。 「あ、赤買ってきます!」 「青に酒も忘れんなよー」 〜2〜 「あれ、見えるな」 ベラさんが指差した先にいるのは黒いモンスター。 実際に見るのは初めてだけれど、あれが異形のミュータントだ。 「はい」 「どつかれてこい」 「は?」 「いや、被ダメ確認」 いきなり何言われたか分からなかった僕に、 「お前と組むの初めてだからさ。Gありでいくつ食らうか」 行ってこいと。 「な、なるほど」 でも、いきなり“どつかれてこい”は無いと思う。 恐る恐る近づく。 (うわぁ、飛びかかってきそうだなぁ) だが、予想を超えていた。 「うわぁぁぁっ!?」 まさか縦回転するとは。 お前は流れ星か、銀牙か。 「おー。出たか、絶・天狼抜刀牙w」 後ろからマニアックな茶々。 僕は腰を抜かしかけたまま、慌てて安全地帯に退避した。 「どうだった?」 「し、死ぬかと思いました」 「いや、被ダメ」 心配や同情は無しですか。 「えぇっと・・・35、かな?」 「それくらいで“死ぬかと思った”はねーだろ」 「気分の問題です・・・縦回転ですよっ!?」 「いや、意味わかんねーってw」 人間、圧倒的に自分より強い相手はもちろん恐い。 だが、圧倒的に自分の理解を超えた意味不明な相手との遭遇もコワイということだ。 例えるなら・・・ゴーレムよりバハムートのほうが恐い。 だが、もしゴーレムがダンス・エモティしながら近づいてきたら、それはバハよりコワイに違いない。 異形を初めて見たときの驚きを忘れた人も想像してみて欲しい。 縦回転しながら突っ込んでくるヒドラを。 きっとコワイ。 と、そんな僕の熱弁も伝わらず。 「ふむふむ。・・・あそこの岩、分かるか?」 ベラさんの指差した先を見る。 「あ、はい」 「あそこで待ってろ」 「は、はぁ」 「ちょっと時間かかるが、腕によりかけて料理用意してきちゃる」 腕まくりをするベラさん。 「はい?」 飛んでいく。 「あ」 と、ベラさんが止まった。 「言い忘れたけどな」 「はい?」 「オレが戻ってくるまでにG切れるから、死ぬんじゃねぇぞw」 ベラさん。 せめて、今もう一度かけ直してください。 「!!?」 「たでまー」 ベラさんは山のような異形を連れて戻ってきた。 「ほれ、たんと食えw」 食われるのは多分、僕のほうだ。 返事をチャットで打ち込むことも出来ず、慌てて異形の群れに立ち向かう。 ・・・訂正。 異形の海に飲まれる。 「本気出していいぞーw」 ベラさん、その余裕を少し分けて下さい。 「いえ、これ、本気、め、いっぱい、です」 チャット死しないよう、細かく分けて発言する。 ベラさんは眉をひそめ、 「・・・なんてTCなん?」 「え」 「GBは?」 「まだ、覚えて、ないです」 少しの沈黙の後、 「・・・なにぃぃぃっ!?」 ベラさんの絶叫が響いた。 「お前、レベ162って言ってただろうが!」 「G」 「なに、G切れてたか!?」 慌ててかけ直してくれる。 が、 「B」 「びー?」 「玉」 ごめんなさい、ベラさん・・・GB玉と言いたかっただけです。 「みつか、ら、なくて」 まだ憶えてません。 「・・・」 「・・・」 「ば、ばかやろうっ!?」 そんな言い方は無いと思う。 誰だって、並外れて運が悪い時期はあるものだ。 ただ、たまたま僕の場合はGB玉の市場が・・・ 「に、逃げるぞっ」 賛成です。 でも・・・ 「うご、け、ない・・・です」 「・・・オレもだ」 ごすごす。 「・・・」 ぼこぼこ。 「・・・」 めきゃめきゃ。 「うおわぁぁぁぁっ」 慌てて弓を取り出すベラさん。 見さらせランボー、そう言わんばかりに四方八方へ撃ちまくる。 「す、すみませぇん」 「うるせー、チャットしてる暇あったら攻撃しろ、攻撃!!」 「ゲージ切れました」 「・・・うぉおぉぉぉっ」 あ。 ベラさんがキレた。 「ガン・カタ! デスペラード!!」 壊れた? 意味不明な気合を入れながら撃ちまくるEE。 その姿は戦場のナイチンゲールか。 「あ。キャラ選択からINし直したら、ゲージ半分回復するかも」 名案だと思ったのだけれど。 「PTから抜けちまうだろーが」 それは確かに。 「この密集だと、お前にカーソル当ててGかける前に死ぬぞ」 PTゲージと違い、僕の姿は異形の黒海の中に飲まれている。 「あ」 「今度は何だっ」 「チャットしてる間にゲージ全快しました、あはは」 「ならTCしろぉぉぉ」 「は、はいっ」 「いや、いっそGBしろGB!」 「だから覚えてないですって」 「うるせー、気合だ、気合!!」 〜3〜 「いやー、惜しかったなーw」 強制送還された安全地帯で、砂にまみれながら大の字になった二人。 「死んじゃいましたね・・・」 「あと二匹までいったんだがなぁ」 くっくっくと笑うベラさんを、だが僕は見ていなかった。 「あの、ごめんなさい」 「あ?」 「僕のせいで」 「いあ、いいってw」 「でもデスペナ・・・」 「んなの気にすんなって」 「で、でも・・・すみません! やっぱり僕ソロに戻ります」 「あ? なんで」 だって。 「迷惑かけちゃうし、死んでばかりじゃ楽しくないだろうし・・・」 ぐわしっ。 ベラさんに頭をひっつかまれた。 「おめーな」 視界一杯に迫るベラさん。 その顔はとても綺麗で、 「おい」 とても怒っていた。 「オレ見て喋れ」 「え?」 「お前、オレの顔見て喋ってねーじゃねぇか」 あ・・・ 「地面ばっか見て、オレはアリンコか?」 「いや・・・」 「言っとくけどなぁ、オレは楽しんだぞ?」 痛いくらい僕の頭を挟み込んだベラさんの両手の指に、 「おい」 さらに力が入る。 「楽しんでねーのはよ、おめーだろうが」 い、痛い・・・頭も、他にも・・・ 「うじうじ、うじうじと」 でも、本当に痛いのか分からなくなってもいた。 「勝手に自分のせいだの何だの。迷惑? おめーが気にしてるのはな、相手じゃなくて自分なんだよ」 ・・・。 「どう思われる気になってばっかでよ、自分のことしか考えてねーじゃねぇか」 「そ、そんな」 「いや、そーだ」 ベラさんが言い切る。 「な・・・」 カチンときた。 「べ、ベラさんだって、いきなりあんなに釣ってきて」 「おー、なんだオレが悪いってのか」 「自分にG2回かけて、僕にかけてくれなかったこともありました!」 「・・・てめー、よく見てんじゃねぇか」 「さ、最初だって、僕が苦しんでるの見て爆笑してたし」 「ばかやろう、ありゃ誰だって笑うだろーが」 ベラさんは僕の声真似をして、「うわぁぁぁっ!?」 「た、縦回転するなんて思わないじゃないですかっ」 「・・・」 「・・・」 睨み合う。 そして、吹き出した。 僕もベラさんも、二人とも止まらない笑いの発作が込み上げて。 「“笑う”ってのはよ、こーゆーことだ」 「え」 思わずベラさんの顔を見る。 「お前さ、“あんまり笑えない”って言ってたろ」 「え?」 「最初。オレが声かけたとき」 「あぁ・・・」 あのとき。 「ギルチャか?」 そうだった。 「は、はい。CCの有名な人がRMTだって話とか・・・」 みんな盛り上がっていたのに、加われなかった自分。 「www」 「え」 「これだろ?」 あ。 「は、はい」 「オレに言わせりゃよ、あんなんは“笑う”じゃねぇんだよ」 僕の横で、足を組んで寝っころがるベラさん。 「笑うってーのは、さっきお前がやってたやつ」 「・・・死んで?」 苦笑しながら聞く。 「あぁ、そーだw」 二人で雲を見ながら、 「笑うってのは、生きるってことなんだよ」 それは分かる、気がする。 「でな」 ベラさんは続ける。 「生きるってのは、死ぬってことでもあるんだなぁ、これが」 「生きるのが、死ぬ・・・?」 「そそ」 「難しいか?」 「えぇっと・・・」 難しいというか、少し分からない。 「お前、BOTって知ってるか?」 いきなり話題を変えるベラさん。 「オートマウスみたいなのですよね・・・?」 「そそ」 無人で狩り続けるロボット。 「MUにも二つの危険がある」 指を二本立てて、ベラさんが言う。 「ロボットがミュティズンになるんじゃないか」 BOTだらけになった某MMOのように。 「そしてもう一つ・・・“ミュティズンがロボットになる”んじゃないか」 一瞬の混乱。 「ま、似たよーなもんだけどな」 ベラさんはニヒルに口を歪ませる。 こういう仕草も似合うなと、僕はこっそり思った。 「ネトゲってのはさ、ゲームだろ?」 「はい」 「ゲームってのは“笑えなきゃダメ”なんだよ、オレに言わせりゃーな」 それは僕にも分かる気がする。 「で、笑うってのは爆笑するってことだ」 明るく言い放つ。 「ぱかぱか死ぬってことだ」 にやにやしながら、 「じゃんじゃか死にまくって、さっきのオレたちみてーに笑いまくって」 ベラさんは止まらない。 「それが生きるってことなんじゃねーかな」 そして、どうでもいいことのように付け加えた。 「ま、オレの好みだけどなw」 「なんとなくだけど・・・僕も好きです。多分」 本心だった。 「おい」 「はい?」 「時計見てみ」 「?」 「時間、どれくらい経ってる?」 「え? ・・・あ」 僕は驚いた。 いつの間にか、こんなに時間が経って・・・ 「さっきの狩り、楽しかったよな?」 「あ。は、はい!」 これも本心。 「人間、“自分らしい”ってときはさ」 「はい」 「時間が消えちまうんだよな」 「・・・」 「時間が経つのを忘れるってのはさ、“楽しい”“自分らしい”時間を過ごしたってときだと思わねぇ?」 そうかもしれない。 僕は頷いた。 「自分らしい時間を楽しく過ごしてんだ、うじうじ自分だけ見てんじゃーよ」 ケラケラ笑うように、ベラさん。 「もっと相手の顔も見てみ?」 「え」 僕の目の前には、ベラさんの笑っている顔があった。 そして、悪ガキじみたその笑顔は雄弁に告げていた・・・“楽しかった”と。 「はい!」 〜エピローグ〜 「ベラさん」 「ん?」 「なんで僕を誘ってくれたんですか?」 ふと湧いた疑問を口にする。 「あ?」 あのとき・・・ 「どした、急に」 「だって、今まで一度も話したこともなかったのに」 「あー」 ベラさんは決まり悪げに頭を掻く。 ・・・こういう仕草の似合う人だ。 「引退前にな、せっかくだから一回くらい遊んどこうかと思って。な」 「え」 言葉を理解するまでに少しかかった。 「引退って・・・なんで」 ベラさんの答えは短かった。 「笑えなくなったから」 「・・・え?」 まじまじとベラさんの顔を見つめてしまう。 「クトゥルー。この名前聞いたことあるだろ?」 「あ、はい」 あのギルチャでよく出てくる、CCで有名な人だ。 そして、RMTだって・・・ 「あれ、オレ」 「・・・え?」 僕は驚きの連続についていけなくなっていた。 「リアルのダチがさ、他のネトゲに行くからって引退してさ」 ベラさんは独り言を言うように、 「で、装備をくれたんだわ」 次々にベラさんが並べる名前、それは最高級の武具ばかりだった。 「まー、しょうがねぇよなぁ」 苦笑しながらの嘆息。 「いきなりこんなに揃ったらよ、外から見たらRMTだわな。そりゃ」 「でも、みんな・・・」 ギルチャで話していた。 ギルドには・・・ベラさんもいるのに。 「あいつら、オレのサブだって知らないから」 でも。 停止する思考。 やりきれない混乱。 もどかしさ。 「あー」 我に帰る。 「言っとくけど、別に恨んでるとかじゃねぇぞ?」 苦笑するような、ニヒルな笑み。 でも、それはとても傷ついた寂しい歪みに見えた。 「たださ・・・なんだかなぁって」 吐き出すように、呟く。 「他人のことなんて分かんねぇよな。オレだってお前のことは分かんねぇ」 「え」 「お前が実は祝1000持ってる廃のサブかもしれねぇ」 「そんなわけ・・・」 「思ってねーよw」 けたけた笑って、 「でも、可能性は0じゃねぇよな」 付け加えた。 「しょせん、自分の手の中の物で想像するだけ」 それは・・・その通りだ。 その材料はどうしようもない断片で、時には感情まで混ざってしまって。 そういうものだ。 「なーんかさ、いつの間にか・・・笑えなくなってたんだ、オレ」 ベラさんは「だから」と言って、僕を見た。 「今日はありがとな」 「え」 「すげー楽しかった」 その顔を見て、綺麗な人だなぁとまた思った。 「久しぶりに笑った」 「僕も、です」 これだって、本心。 「くぅ。お前、かわいーなぁw」 ぐりぐり。 「む、胸が・・・」 「気にすんな、オレは男だ」 う。 「でも、寂しいかな」 僕はこぼす。 「あ?」 「ベラさんを笑って見送るべきだと分かってるんですけど・・・」 「あー」 くっくっと笑って、ベラさんは 「引退しないよ」 「え」 ベラさんの顔を見直す。 「やめた」 「な、なんで」 「なんだよ、引退して欲しかったのか?」 おかしそうな、すねたような微妙な表情をしてみせる。 「ち、違いますっ。ただ、さっき引退って言ってたのに・・・」 「なんでか?」 頷く。 ベラさんは僕の髪をわしゃわしゃやって、青空を見上げて 「オレもまだ笑えたから」 僕の顔を見て言った。 「おめーのせいだ」 「あの、ベラさん」 「ん?」 「・・・当たってます」 「あ?」 「そ、その・・・胸が」 「当ててんだよ」 「・・・」 「うはははははw」
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