** ダンデライオン **
《ダンデライオン》
おや、何を見てるんだい? あぁ、太陽花だね。別名をダンデライオン。 知ってるかい? 昔はね、その花は世界でたった一本しかなかったんだ。 あはは、嘘じゃないよ。 これは本当の話・・・ きみはサイクロプスって知ってるよね? うん、そうそう。 ダンジョンに棲んでいる、あのモンスターさ。 でもね、昔・・・人間とサイクロプスは一緒に暮らしてたんだ。 ふふ、信じられないかい? でも、これも本当の話。 ロレンシアの噴水だってね、彼らサイクロプスたちが造ったんだから。 昔々、人間とサイクロプスは一緒に暮らしていました。 けれど、いつしか人間は彼らを嫌うようになりました。 自分たちと違う外見、恐ろしげな豪腕・・・最初はひそやかな恐怖でした。 そして、恐怖はやがて憎悪と怒りへと育っていったのです。 人間は剣と槍、弓矢を持って彼らを追いたてました。 サイクロプスは問いました。 「お前たちは俺たちが嫌いなのだな?」 人間は答えました。 「あぁ、そうだ。昔からな!」 サイクロプスは頷き、そのまま彼らは静かに地下へと去っていきました。 最後に、 「そうか。・・・だが、俺たちはお前たちが好きだった」 とだけ言い残して。 こうして、サイクロプスたちは陽の差さぬ地下の奥深くで暮らすようになったのです。 ですが、神は確かにいるのかもしれません。 暗闇の底で暮らす彼らにも・・・“太陽”をお与えになったのですから。 薄暗い迷宮をさまよううち、彼らは一輪の花を見つけたのです。 それは、とても太陽に似た花でした。 光の無い地下深くでありながら、なお・・・まるで彼らを迎えてくれるような輝きを放っていました。 心身ともに傷ついていたサイクロプスは問いました。 「一輪の花よ、闇の底の太陽よ」 ひどく弱々しい声で、問うたのです。 「お前は俺たちを恐がらないでいてくれるのか? 俺たちと一緒にいてくれるのか?」 と。 決して起こらぬはずの奇跡は一陣の風となって遣わされました。 どこからともなく吹き込んだそれに揺られ、一輪の太陽は確かに頷いたように見えたのです。 サイクロプスは涙を流して言いました。 「光の神よ、闇の魔王よ。俺たちにこの太陽を与えてくれたことを感謝する」 そして、静かにこう呟きました。 「俺たちは孤独ではなくなった。これで・・・人間たちを憎まずにすむ」 地下に追いやられてもなお、彼らは人間たちを愛していたのです。 え? そんなのは嘘に決まってる? やつらは僕たち人間を襲うじゃないか? ・・・その答えはね、きみの目の前にあるんだよ。 昔は世界に一輪だけしかなかった太陽花。 地下深くにたった一輪だけしか存在しなかった花が、何故、今は人間たちの地上で咲き乱れているのか・・・ 何故、彼らサイクロプスが人間を憎むようになったのか・・・ かつて、マキャヴェリは『君主論』でこう言った。 「人間は、恐れている人より、愛情をかけてくれる人を容赦なく傷つけるものである」 だが、それは嘘だ。 人間は、恐れている相手を傷つけ、さらに愛情をかけてくれる相手をも容赦なく傷つける動物なのだ・・・ 1. サイクロプス 2. レベル(28) 体力(850) 最小攻撃力(100) 最大攻撃力(105) 防御力(35) 防御成功率(35) 3. 腕力に秀でており、かつては優秀な建物や武具を作ることを得意としたが、外見が醜いという理由だけで地下世界へ追いやられてしまった種族。 迫害を受けずに暮らせる日を待ち望んでいたが、闇の力によって心の片隅に残っていた僅かなわだかまりを怨念へと変えられ、あたりかまわず攻撃を繰り返すようになった。 (↑MU公式サイトより抜粋) 『ダンデライオン』 bump of chicken (↑FLASHなんかによくなってますが、今回の元ネタの歌ですm(_ _)m )
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